小林多喜二《蟹工船》节选(二)
北海道では、字義通り、どの鉄道の枕木もそれはそのまま一本一本労働者の青むくれた「死骸」だった。築港の埋立には、脚気の土工が生きたまま「人柱」のように埋められた。北海道の、そういう労働者を「蛸」と言っている。蛸は自分が生きて行くためには自分の手足をも食ってしまう。これこそ、全くそっくりではないか!そこでは誰をも憚らない「原始的」な搾取が出来た。「儲け」がゴゾリ、ゴゾリ掘りかえってきた。しかも、そして、その事を巧みに「国家的」富源の開発ということに結びつけて、まんまと合理化していた。抜目がなかった。「国家」のために、労働者は「腹が減り」「たたき殺されて」行った。
在北海道,无论哪条铁路的枕木,不折不扣,每一根儿都等于是工人的一具青肿的“尸体”。在填海建港的工程中,害脚水肿病的工人活活地被当成“人桩”埋掉。人们把北海道的这种工人叫作“章鱼”。章鱼为了本身活下去,连自己的肢体也吃掉。这不恰好完全一样吗!在那里,是容许肆无忌惮地大搞“原始”剥削的。“油水”全部捞了回来。而且还把这些巧妙地跟开发“国家的”富源这件事联系起来。顺顺当当地把它合理化了。真是无孔不入。为了“国家”,工人们“饿肚子”。一个个地“被打死”!
鉱山でも同じだった。
新しい山に坑道を掘る。そこにどんなガスが出るか、どんな飛んでもない変化が起るか、それを調べあげて一つの確針をつかむのに、資本家は「モルモット」より安く買える「労働者」を、乃木軍神がやったと同じ方法で、入り代り、立ち代り雑作なく使い捨てた。鼻紙より無雑作に!マグロの刺身のような労働者の肉片が、坑道の壁を幾重にも幾重にも丈夫にして行った。都会から離れていることをよい都合にして、ここでもやはり「ゾッ」とすることが行われていた。トロッコで運んでくる石炭の中に拇指や小指がバラバラに、ねばって交ってくることがある。女や子供はそんな事には然し眉を動かしてはならなかった。そう「慣らされていた」彼らは無表情に、それを次の持場まで押してゆく。その石炭が巨大な機械を、資本家の「利潤」のために動かした。
矿山上也是一样。
在一个新矿山上开坑道了,那里会出现什么样的瓦斯?会发生什么意想不到的变异?为了把它摸清楚而找个妥当的方案,资本家就使用乃木军神曾经干过的同样办法,把那些不值个“土拨鼠”价钱的“工人”,一批换一批不当回事地随便糟蹋掉。比张手纸还不当回事!工人的肉片,就跟金枪鱼的生鱼片似的一层又一层地把巷道加固起来。他们利用远离城市的好处,在这里也干着“骇人听闻”的勾当。用手推车运出来的煤里,时而带出来大拇指、小指头。这儿一个那儿一个,粘在煤块上。不过,女人和孩子们对这种事眉都皱不得,已经“被迫习惯”于这样了。他们毫无表情地把它推到下一个掌子面儿去。这些煤就为资本家的“利润”去发动庞大的机器。
どの坑夫も、長く監獄に入れられた人のように、艶のない黄色くむくんだ、始終ボンヤリした顔をしていた。日光の不足と、炭塵と、有毒ガスを含んだ空気と、温度と気圧の異常とで、眼に見えて身体がおかしくなってゆく。「七、八年も坑夫をしていれば、およそ四、五年間位はぶっ続けに真っ暗闇の底にいて、一度だって太陽を拝まなかったことになる、四、五年も!」――だが、どんな事があろうと、代りの労働者を何時でもたくさん仕入れることの出来る資本家には、そんなことはどうでもいい事であった。冬が来ると、「やはり」労働者はその鉱山に流れ込んで行った。
无论哪个矿工,都像被长期关进监狱的人,带着一张枯黄虚肿,老是呆滞木然的脸。由于阳光不足,含有煤尘、瓦斯的空气以及不正常的温度和气压,身体眼瞧着越来越差。“要是当上七八年的矿工,算起来就等于四五年连续不断地在黑暗的底层过日子。连一次太阳也没见。整整四五年哪!”可是对于不管在什么情况下随时可以趸进大批替换工的资本家来说,那全是无关紧要的。一到冬天,工人“还是”流进这座矿山来。
在北海道,无论哪条铁路的枕木,不折不扣,每一根儿都等于是工人的一具青肿的“尸体”。在填海建港的工程中,害脚水肿病的工人活活地被当成“人桩”埋掉。人们把北海道的这种工人叫作“章鱼”。章鱼为了本身活下去,连自己的肢体也吃掉。这不恰好完全一样吗!在那里,是容许肆无忌惮地大搞“原始”剥削的。“油水”全部捞了回来。而且还把这些巧妙地跟开发“国家的”富源这件事联系起来。顺顺当当地把它合理化了。真是无孔不入。为了“国家”,工人们“饿肚子”。一个个地“被打死”!
鉱山でも同じだった。
新しい山に坑道を掘る。そこにどんなガスが出るか、どんな飛んでもない変化が起るか、それを調べあげて一つの確針をつかむのに、資本家は「モルモット」より安く買える「労働者」を、乃木軍神がやったと同じ方法で、入り代り、立ち代り雑作なく使い捨てた。鼻紙より無雑作に!マグロの刺身のような労働者の肉片が、坑道の壁を幾重にも幾重にも丈夫にして行った。都会から離れていることをよい都合にして、ここでもやはり「ゾッ」とすることが行われていた。トロッコで運んでくる石炭の中に拇指や小指がバラバラに、ねばって交ってくることがある。女や子供はそんな事には然し眉を動かしてはならなかった。そう「慣らされていた」彼らは無表情に、それを次の持場まで押してゆく。その石炭が巨大な機械を、資本家の「利潤」のために動かした。
矿山上也是一样。
在一个新矿山上开坑道了,那里会出现什么样的瓦斯?会发生什么意想不到的变异?为了把它摸清楚而找个妥当的方案,资本家就使用乃木军神曾经干过的同样办法,把那些不值个“土拨鼠”价钱的“工人”,一批换一批不当回事地随便糟蹋掉。比张手纸还不当回事!工人的肉片,就跟金枪鱼的生鱼片似的一层又一层地把巷道加固起来。他们利用远离城市的好处,在这里也干着“骇人听闻”的勾当。用手推车运出来的煤里,时而带出来大拇指、小指头。这儿一个那儿一个,粘在煤块上。不过,女人和孩子们对这种事眉都皱不得,已经“被迫习惯”于这样了。他们毫无表情地把它推到下一个掌子面儿去。这些煤就为资本家的“利润”去发动庞大的机器。
どの坑夫も、長く監獄に入れられた人のように、艶のない黄色くむくんだ、始終ボンヤリした顔をしていた。日光の不足と、炭塵と、有毒ガスを含んだ空気と、温度と気圧の異常とで、眼に見えて身体がおかしくなってゆく。「七、八年も坑夫をしていれば、およそ四、五年間位はぶっ続けに真っ暗闇の底にいて、一度だって太陽を拝まなかったことになる、四、五年も!」――だが、どんな事があろうと、代りの労働者を何時でもたくさん仕入れることの出来る資本家には、そんなことはどうでもいい事であった。冬が来ると、「やはり」労働者はその鉱山に流れ込んで行った。
无论哪个矿工,都像被长期关进监狱的人,带着一张枯黄虚肿,老是呆滞木然的脸。由于阳光不足,含有煤尘、瓦斯的空气以及不正常的温度和气压,身体眼瞧着越来越差。“要是当上七八年的矿工,算起来就等于四五年连续不断地在黑暗的底层过日子。连一次太阳也没见。整整四五年哪!”可是对于不管在什么情况下随时可以趸进大批替换工的资本家来说,那全是无关紧要的。一到冬天,工人“还是”流进这座矿山来。
(编辑:柳敬智)