小林多喜二《蟹工船》节选(七)
その漁夫は、しかし「不思議に」どうにか生命を取りとめることが出来た。その代り、日中でもよく何かにつまずいて、のめるほど暗い隅に転がったまま、その漁夫がうなっているのを、何日も何日も聞かされた。
可是,这个渔工总算“奇迹般地”保住了一条命。不过,人们好多日子都听到这个渔工躺在一个大白天也会绊一跤的黑旮旯里哼哼。
彼が直りかけて、うめき声が皆を苦しめなくなった頃、前から寝たきりになっていた脚気の漁夫が死んでしまった。――二十七だった。東京、日暮里の周施屋から来たもので、一緒の仲間が十人ほどいた。然し、監督は次の日の仕事に差支えると言うので、仕事に出ていない「病気のものだけ」で、「お通夜」をさせることにした。
当他刚刚好起来,呻吟声不再折磨大家的时候,早就卧床不起的那个得脚水肿的渔工死了(才二十七岁。他是东京日暮里的牙行送来的,同他一块儿来的有十来个人),可是,监工说是会影响第二天干活儿,只让一直出不了工的病号“守夜”。
湯灌をしてやるために、着物を解いてやると、身体からは、胸がムカーッとする臭気がきた。そして無気味な真白い、平べったいしらみが慌ててゾロゾロと走り出した。鱗形に垢のついた身体全体は、まるで松の幹が転がっているようだった。胸は、肋骨が一つ一つ剥き出しに出ていた。脚気がひどくなってから、自由に歩けなかったので、小便などはその場でもらしたらしく、一面ひどい臭気だった。ふんどしもシャツも赭黒く色が変って、つまみ上げると、硫酸でもかけたように、ボロボロにくずれそうだった。臍の窪みには、垢とゴミが一杯につまって、臍は見えなかった。肛門の周りには、糞がすっかり乾いて、粘土のようにこびりついていた。
一解开衣服给他洗身子,就有股恶心人的臭气从身上冲出来。令人生厌的煞白的瘪虱子一个跟一个地慌忙往出爬,污垢都起了鳞的整个身子,就像倒着的一根松树干。胸部露着一条条的肋骨。大概因为脚水肿严重以后行动不方便。尿也就原地撒了,一片恶臭。裤衩衬衣全变成酱紫色,一提,就像沾过镪水似的。简直要碎成烂片子。肛门周围,屎都干了,就跟胶泥似的嘎巴着。
「カムサツカでは死にたくない」――彼は死ぬときそう言ったそうだった。しかし、今彼が命を落すというとき、側にきっと誰もみてやった者がいなかったかも知れない。そのカムサツカでは誰だって死にきれないだろう。漁夫達はその時の彼の気持を考え、中には声をあげて泣いたものがいた。
“死也别死在堪察加呀!”据说他死的候时还这么说。可是,在他临咽气的当时,恐怕不会有任何人在旁边照看他的。在这个堪察加,任凭是谁,恐怕也是死不瞑目的!渔工们想到他当时的心境,有的就放声大哭起来。
(编辑:柳敬智)