小林多喜二《蟹工船》节选(五)
漁夫達は何日も何日も続く過労のために、だんだん朝起きられなくなった。監督が石油の空罐を寝ている耳もとでたたいて歩いた。眼を開けて、起き上るまで、やけに罐をたたいた。脚気のものが、頭を半分上げて何か言っている。しかし監督は見ない振りで、空罐をやめない。声が聞えないので、金魚が水際に出てきて、空気を吸っている時のように、口だけパクパク動いてみえた。いい加減たたいてから、
渔工们一连几天几天的过累,早晨渐渐起不来床了。监工就把个空煤油桶在熟睡的耳边敲着走。玩儿命地敲,一直敲到睁开眼,爬起来。有个害脚水肿病的,半扬起头来说了句什么,可是监工全当没看见,只管敲。听不见那人的话音,只见像金鱼冒出水皮儿吸气似的光吧嗒嘴。等敲了老半天之后,就骂开了。
「どうしたんだ、タタき起すど!」と怒鳴りつけた。「いやしくも仕事が国家的である以上、戦争と同じなんだ。死ぬ覚悟で働け!馬鹿野郎」
“怎么搞的?等着挨揍啊?这活儿,既然也算是国家性的。就跟打仗一样,得豁上命干!混蛋!”
病人は皆蒲団を剥ぎとられて、甲板へ押し出された。脚気のものは階段の段々に足先きがつまずいた。手すりにつかまりながら、身体を斜めにして、自分の足を自分の手で持ち上げて、階段を上がった。心臓が一足毎に無気味にピンピン蹴るようにはね上った。
病人全给掀了被窝推到甲板上去了。害脚水肿的病人脚尖绊在梯子磴上,一边用手抓着栏杆,一边斜着身子自己拿手扳着腿上梯子。每上一磴,心脏嘭嘭地,就像拿脚踢着似的,跳得吓人。
監督も、雑夫長も病人には、継子にでも対するようにジリジリと陰険だった。「肉詰」をしていると追い立てて、甲板で「爪たたき」をさせられる。それをちょっとしていると「紙巻」の方へ廻わされる。底寒くて、薄暗い工場の中ですべる足元に気をつけながら、立ちつくしていると、膝から下は義足に触るより無感覚になり、ひょいとすると膝の関節が、蝶つがいが離れたように、不覚にヘナヘナと坐り込んでしまいそうになった。
监工、杂工头儿,对病人就像后娘对待孩子一样,愈来愈歹毒。正干着装肉的活儿,又逼着到甲板上去“敲螃蟹腿”。刚刚干了一会儿,又被支使到那边去“夹衬纸”。在寒侵透骨的阴暗的工房里,又要提防着滑滑溜溜的脚底下。还得在那儿死站着。从膝盖往下,麻木得比条假腿还要木,有时候不知怎地膝关节就像脱了环儿似的不知不觉就要软瘫瘫地坐在地上。
学生が蟹をつぶした汚れた手の甲で、額を軽くたたいていた。ちょっとすると、そのまま横倒しに後へ倒れてしまった。その時、側に積さなっていた罐詰の空罐がひどく音をたてて、学生の倒れた上に崩れ落ちた。それが船の傾斜に沿って、機械の下や荷物の間に、光りながら円るく転んで行った。仲間が慌てて学生をハッチに連れて行こうとした。それがちょうど、監督が口笛を吹きながら工場に下りてきたのと、会った。ひょいと見てとると、
学生拿掰螃蟹的脏手背轻轻地敲打着脑门儿。一会儿的工夫,他就直挺挺地朝后倒下去了。这时候堆在身旁的那些空罐头桶就轰隆一声朝他身上坍倒下来。罐头桶随着船身的倾斜亮光光地滚到机器底下或货堆的空当里去。伙伴们着了慌,想把学生领到舱口去。可巧,碰上监工吹着口哨下工房来。他一眼看到就嚷:
「誰が仕事を離れったんだ!」
“谁让你们把活扔下啦!”
「誰が ……」思わずグッと来た一人が、肩でつっかかるようにせき込んだ。
“谁让?!”一个不由得心头火起的杂工,要顶撞的样子抖着肩膀急切地说。
「誰があ――? この野郎、もう一度言ってみろ!」監督はポケットからピストルを取り出して、玩具のようにいじり廻わした。それから、急に大声で、口を三角形にゆがめながら、背のびをするように身体をゆすって、笑い出した。
“谁让——?你这小子,敢再说一句!”监工从口袋里掏出手枪来像玩具似的摆弄着。然后突然把嘴撇成个三角形,挺胸腆肚地颤着身子大笑起来。
「水を持って来い!」
“拿水来!”
監督は桶一杯に水を受取ると、枕木のように床に置き捨てになっている学生の顔に、いきなり――一度に、それを浴せかけた。
监工满满接了一桶水朝着像条枕木被扔在地上的学生脸上一下子猛泼下去。
「これでええんだ。――要らないものなんか見なくてもええ、仕事でもしやがれ!」
“这就行啦!——没什么好看的!干他妈活儿去!”
(编辑:柳敬智)