小林多喜二《蟹工船》节选(三)
それから「入地百姓」――北海道には「移民百姓」がいる。「北海道開拓」「人口食糧問題解決、移民奨励」、日本少年式な「移民成金」など、うまい事ばかり並べた活動写真を使って、田畑を奪われそうになっている内地の貧農を煽動して、移民を奨励して置きながら、四、五寸も掘り返せば、下が粘土ばかりの土地に放り出される。豊饒な土地には、もう立札が立っている。
此外还有一种“外来农户”——出北海道就是“移民农户”。资本家拿“开发北海道”、“解决人口粮食问题,奖励移民”以及传奇式的“移民致富者”等等净演些便宜事的电影来鼓动在内地眼看就要被掠夺了土地的穷庄稼人。说是奖励移民,而农民却被赶到才翻下四五寸,底下批净是胶泥地的土地上去。肥沃的土地上老早就立了界牌了。
雪の中に埋められて、馬鈴薯も食えずに、一家は次の春には餓死することがあった。それは「事実」何度もあった。雪が溶けた頃になって、一里も離れている「隣りの人」がやってきて、始めてそれが分った。口の中から、半分のみかけている藁屑が出てきたりした。
有的全家让大雪封了门,连土豆也吃不上,转年开春就饿死了。这种事,事实上已经有了多少次。等到大雪开化的时候,相隔七八里地的“邻居”跑来才发现。有的嘴里还露出咽了半截的乱稻草来。
稀れに餓死から逃れ得ても、その荒ぶ地を十年もかかって耕やし、ようやくこれで普通の畑になったと思える頃、実はそれにちゃんと、「外の人」のものになるようになっていた。資本家は――高利貸、銀行、華族、大金持は、嘘のような金を貸して置けば、(投げ捨てて置けば)荒地は、肥えた黒猫の毛並のように豊饒な土地になって、間違なく、自分のものになってきた。
就算难得没死,花上十来年了夫侍弄那种生荒,等好不容易瞧着像块熟地的时候,实际上已经注定成为“别人”的了。资本家——高利贷者、银行、贵族、老财,只要把便宜得令人难以置信的贷款放出去(只要扔在那里),生荒地就会变成胖黑描的毛皮那样的肥田而十拿九稳归了自己。
そんな事を真似て、濡手をきめこむ、目の鋭い人間も、又北海道に入り込んできた。――百姓は、あっちからも、こっちからも自分のものを噛みとられて行った。そして終いには、彼等が内地でそうされたと同じように「小作人」にされてしまっていた。そうなって百姓は始めて気付いた。――「しまった!」
那些学着样儿,一心想要白手发财的人们也钻进北海道来了。庄稼人被这边剥层皮,那边剜块肉,末了,弄得跟在内地的境遇一样,早就变成个“小佃农”。到了这个份儿上才明白过来。——“上当了!”
(编辑:柳敬智)